流体力学の現象
境界層、渦、乱流、熱伝達、燃焼など、数値解析が再現すべき物理現象とその歴史。
全43回 · 2026.03.25 – 2026.10.27
- 01
可視化で理解するReynolds数と流れの遷移
管内流の遷移はRe 2300から始まる。円柱後流のStは約0.2でほぼ一定で、Reを10倍にするとDNSの格子数は約178倍になる。
2026.03.25
- 02
ポアズイユ流れ:解析解の導出と有限差分法による検証
h=G=μ=1では中心速度が1/2、流量が2/3です。有限差分のL2は2.78e-16からほぼ動かず、次数欄の2.0は測れていません。
2026.03.28
- 03
虫は蜂蜜の中を泳ぐ — レイノルズ数が変える流動の世界
同じ水でもシロナガスクジラのReは2.5×10^8、細菌は3×10^-5です。粘性項の係数1/Reが13桁の差を決めます。
2026.04.21
- 04
水流はなぜ滴に分裂するのか — プラトー・レイリー不安定性と分裂レジーム
kR が 0.697 のとき、最も速い波長は半径の 9.02 倍で止まる。We と Oh の平面が太い液滴と微粒化を分ける。
2026.04.23
- 05
渦の二つの顔 — 自由渦・強制渦、そしてヘルムホルツ
強制渦コアは渦度2ωで一定です。自由渦の外側は中心を除き0で、U=1かつR=0.5ならコア渦度は4、接続はr=Rにあります。
2026.04.28
- 06
20℃の水も沸く — キャビテーションの物理
20℃の蒸気圧は2.34 kPa、60℃は19.9 kPaです。喉の静圧がこれを下回るとキャビテーション数σは負になります。
2026.04.30
- 07
水流が乱れる瞬間 — レイノルズ臨界数と乱流境界層の多層構造
円管の実用臨界はおよそRe 2300だ。静かな管では5万まで層流が残り、壁の内側はy+で粘性底層・緩和層・対数層に再び割れる。
2026.05.05
- 08
回転する球がなぜ曲がるのか — 循環・マグナス効果・クッタ–ジューコフスキーの定理
円柱表面の三つの循環で、上面のCpは-3から-15まで動きます。U=10、R=0.5の臨界では下面のCpが1になります。
2026.05.07
- 09
超音速では広がらないと加速しない — マッハ数・衝撃波・ラバルノズルの逆説
面積比2.5の設計出口はマッハ2.44で、静圧は全圧の6.3%まで下がる。背圧を設計値より上げると、拡大部の中に衝撃が立つ。
2026.05.12
- 10
ゾウリムシは蜂蜜の中を泳いでいる — 粘性の分子的起源と Newton・Fourier・Fick が同じ一行になる理由
1気圧の空気では平均自由行程が約68 nm、平均速さが約470 m/s。μ≃ρc̄ℓ/3の一行が熱伝導と拡散を同じ帳簿に載せる。
2026.05.14
- 11
多孔質媒体の三つの顔 — Darcy・Forchheimer・Brinkman
砂利層の定数では粘性損失とForchheimer慣性損失が0.1 m/sで釣り合い、直線のポンプ曲線はその右側で差圧を過小に読みます。
2026.05.19
- 12
二つの関数を足したら円柱が現れた — 複素ポテンシャルとダランベールの逆説
一様流に二重わき出しを足すと、円を描かなくても半径Rの流線が閉じます。循環が0なら、表面圧力を積分した抵抗は丸め誤差だけ残ります。
2026.05.21
- 13
煙突の煙はなぜ横に寝ずに巻き上がるのか — 横断流中のジェットと逆回転渦対
r=2, 4, 8でx=10dの高さは5.44d, 8.66d, 13.78dです。後流のStは円柱0.21の半分未満です。
2026.05.26
- 14
流れの三つの肖像 — 流線・流跡線・流脈線はなぜ食い違うのか
収縮比0.25では喉の速度が入口の4倍になり、局所項は0のままです。V0=0.6、ω=2のとき流線のyは±0.6以内に収まります。
2026.05.28
- 15
乱流は三本の物差しを同時に使う — Kolmogorovカスケードと-5/3則
Reynolds数が10倍になると η/L は約0.18倍になり、Re=10^4 の3次元DNSはすでに約10^9セルです。
2026.06.02
- 16
静止したまま温まる流体 — 自然対流とレイリー数1708
高さ0.30 m、60度の壁は20度の空気で Ra 7.03e7、Nu 54.9、熱流束197.6 W/m^2を出します。
2026.06.04
- 17
ざらついたボールほど遠くへ飛ぶ理由 — 抗力危機と境界層剥離
同じRe=1.99e5、70 m/sで抗力は2.049 Nと0.488 Nに分かれます。剥離角82°と120°の差です。
2026.06.09
- 18
もっと熱したのに冷めた — 沸騰曲線と限界熱流束
ZuberのCHFは1.259 MW/m²で、Rohsenowは20°Cで1.094、30°Cでは3.692まで上がります。
2026.06.11
- 19
超音速にするには管を広げよ — 先細末広ノズルとチョーキング
出口面積比が4なら設計マッハ数は2.940、出口圧力は全圧の0.0298倍です。質量流量の係数は約0.5787で止まります。
2026.06.18
- 20
抗力を測れば熱伝達がわかる — レイノルズの相似則
Re_x=10^5の平板ではCf/2が1.050e-3のまま、St·Pr^(2/3)だけが三つのPrでその値に重なります。
2026.06.23
- 21
ガソリンエンジンはなぜ圧縮比12で止まるのか — オットーとディーゼル
同じ圧縮比ではオットーが56.5%(r=8)と63%(r=12)、ディーゼル(rc=2)は49%と56.7%。ノッキングがガソリンを12付近で止める。
2026.06.25
- 22
理想気体が嘘をつき始める場所 — 圧縮因子 Z と van der Waals 状態方程式
100 bar・200 Kの窒素はZ=0.7905です。理想気体の密度168.4は、実在の213.0より約26%軽いです。
2026.06.30
- 23
台所のシンクに毎日生まれる衝撃波 — フルード数と跳水
Fr 2.86、水深0.2 mの射流は跳水後にFr 0.42、水深0.714 mとなり、比エネルギー0.238 mを失う。
2026.07.02
- 24
鍋底から始まったカオス — レイリー・ベナール対流とローレンツ方程式
剛体壁ではロールがRa=1708で点火します。ローレンツ切断ではρが24.74を超えた瞬間、そのロールはカオスへ崩れます。
2026.07.09
- 25
空に浮かぶ波の正体 — ケルビン・ヘルムホルツ不安定
空気と水が接する界面では、最小風速はおよそ6.6 m/sです。最初に育つ波長は1.69 cm、成長率は4.89 /sです。
2026.07.14
- 26
回転するボールはなぜ曲がるのか — マグヌス効果と循環
無作為なスピンで弾は横にそれる。循環Γ=2πa²ωが横力を決め、spin 2のずれ6.90 mはspin 1の3.71 mの2倍ではない。
2026.07.16
- 27
波ひとつは集団より速い — 波の分散と群速度
深い水の重力波では群速度が位相速度のちょうど半分になり、波長1.73cmで位相速度は0.232 m/sと最も遅くなる。
2026.07.21
- 28
水は管をどれだけ流れれば放物線になるのか — 助走区間とHagen–Poiseuille
層流管の入口で平坦な速度分布が放物線になるまで、管径のおよそ0.05Re倍がかかる。その手前で摩擦係数64/Reはまだ成り立たない。
2026.07.23
- 29
乱流が火炎を速くする効果が折れ曲がる点 — Damköhler のしわ仮説と bending
同じ u'/S_L=12 でも大規模では Σ=4.03 のまま、小規模は Ka=29.39 で Σ=2.00 まで落ちる。
2026.07.28
- 30
衝撃波は1枚より4枚 — 超音速インレットの斜め衝撃波列
Mach 3の一様流では垂直衝撃波が一つのとき回復率は0.3283で、8°ランプ四枚のあとには0.8235まで上がります。
2026.08.06
- 31
渦を殺すのは粘性ではない — ニュートンの1/rとLamb–Oseenコア
自由渦では半径0.5の速度は初期拡散時間の50倍が過ぎても小数第4位まで同じです。n=1で粘性力は消え、循環を抜くのは壁です。
2026.08.11
- 32
煙を1 m 下げたらドラフトが7 Pa 消えた — フランクリン暖炉と浮力の収支
煙突頂点は同じなのに下降1 mで正味ドラフトが44.72 Paから37.72 Paへ落ちる。浮力帳簿と逆流しきい値でその7 Paを計算します。
2026.08.20
- 33
コリオリ力の仕事はゼロなのに羽根車は1800 J/kgを与えた — 回転系のエネルギーとロータルピー
回転基準系で保存されるのは全エンタルピーではなくロータルピーです。コリオリ力が仕事をしない理由とポンプ揚程の出どころを数値で確かめます。
2026.08.27
- 34
全圧が1,080 Pa下がった場所の散逸はゼロだった — ベルヌーイ定数が流線を横切るとき
回転する渦コアでは全圧が1,080 Pa下がるのに粘性散逸はちょうど0になります。全圧の欠損を損失と読んではいけない境界をランキン渦で確かめました。
2026.09.03
- 35
動的係数の49.9%が負になった — Germano恒等式と平均操作の位置
Germano恒等式でSmagorinsky係数を直接測ると、格子点の半分が負になった。平均をどこで取るかが安定性を分ける。
2026.09.15
- 36
層流では2.0000、乱流では1.0322 — 速度水頭の前につく係数
断面平均速度で作った速度水頭は、流れが実際に運ぶ運動エネルギーではありません。補正係数αを三つのプロファイルで直接積分して比べました。
2026.09.17
- 37
速度を4倍にしても楔角は19.47°のまま — 水深がケルビン航跡を90°まで開く場所
船の航跡の楔角は深い水では速度によらず19.47°です。水深フルード数が1に近づくと90°まで開き、超えると再び狭まります。
2026.09.24
- 38
格子を8倍細かくしても2.4674は動かなかった — 1807年のフーリエ級数が残した二つの定数
1807年の審査で差し戻されたフーリエ級数の収束問題は、今日の格子で8.9490%とπ²/4という二つの定数として戻ってくる。
2026.09.29
- 39
μとkを同じ式から導いたらPrが1.98倍ずれた — 壁温123.5 Kを分けた係数9/4
分子運動論でμとkを同時に導くとPrはγに固定される。なぜ2倍ずれるのか、Euckenの9/4が何を直すのかをコードで確かめます。
2026.10.01
- 40
同じ χ=50 に 1759 K と 818 K が同時に出た — フレームレット・ライブラリが折れる場所
スカラー散逸率 χ をテーブル軸にすると、消炎付近で解が三つに分かれる。進行変数 C がその折れを伸ばす過程を 61 点のフレームレットで解いて確かめる。
2026.10.06
- 41
1 μm のアルミ粒子は連続体の式より 4.6 倍遅く温まった — Knudsen 遷移領域の Sherman 調和補間
1500 K・1 atmで1 μmアルミのKnは0.67です。連続体のNu=2は加熱時間を4.58倍短く見ます。Shermanの調和平均がそれを戻します。
2026.10.15
- 42
逆反応定数を Kp で割ったら 2500 K で AlO が 99.6% 解離した — 平衡定数に潜む (p°/RT)^Δn
kr = kf/K に Kp を入れると、Δn≠0 の反応だけ平衡が (p°/RT)^Δn 倍ずれます。AlO 解離反応器で SI・CGS の誤りを再現します
2026.10.22
- 43
混合分率が少し揺らぐだけで平均温度は964 K下がる — presumed β-PDFとZ=0の無限大
量論比のZ̄でβ-PDF平均温度がT(Z̄)より964 K低くなる理由と、a<1で一様格子積分が115 K外れる理由をコードで確かめます
2026.10.27